犬の仰向け抱っこは本当に必要?リラックスポジションの効果は?

仰向け抱っこはリラックスポジションだって?

こんにちは!

犬になりたい犬育ブロガーの瀧沢かいるーです。

台風一過でとても気持ちの良い青空が広がっています!

犬たちも、久しぶりの快晴のもとのお散歩で、とっても嬉しそうでした。
こういう日はついつい、長めに歩いてしまいますよね。
ここ数日、雨だったり、いつ雨が降り出すかわからなかったりで、
ゆっくりお散歩出来なかったので、いいリフレッシュになりました。

ようやく台風が過ぎ去ったかと思ったら、後追い台風がすぐ後ろに迫っているのだとか。

もう・・・どんだけ台風来るねん・・・

大雨に地震にと、災害の多かった9月が終わったかと思えば、
10月は台風ご一行様の襲撃とか。

勘弁してくれい…

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さて本日は、犬の仰向け抱っこについてのお話です。

先日コメントいただいて、そういえば仰向け抱っこについてまだ記事にしてなかったなと、
いい機会なので書かせていただくことにしました。

仰向け抱っこ、今では「リラックスポジション」などともっともらしいことを言われて、
子犬をお迎えしたら毎日必ず、犬が落ち着いて抱っこされるようになるまで続けなさいと言う、
トレーナーや獣医さんが多くいます。

わたしも、パピークラスのトレーナーさんや、初診で行った動物病院の獣医さんに、
同じことを言われました。
トレーナーは「上下関係のため、獣医は「診察を楽にするため」という理由でしたが、
どちらも犬には必ず必要という考えでした。

犬の専門家と言われる人たちが言うと、「そうか、そういうものなのか」と
深く考えもせずにやってしまう飼い主さんは多いでしょう。

しかし、仰向け抱っこは本当に必要なのでしょうか?
そして本当に、仰向け抱っこで犬はリラックス出来るのでしょうか?

 

仰向け抱っこはなぜ必要?

わたしはパピークラスのトレーナーから、
毎日2時間、もしくは子犬が寝るまで仰向け抱っこをして下さい
と言われました。

常識的に考えて、2時間って…そんなの不可能じゃないですか??
そんなに時間かけられないし…同じ2時間かけるなら、仰向け抱っこじゃなくて、
外に出掛けて公園とか河原とか、のんびり歩いた方が有意義ですしよっぽど犬のためになります。

…ってまあ、やっちゃったんですけど、2時間、仰向け抱っこ。のんちゃんに。

まだ専門学校で習ったパックリーダー論が頭から抜けていない時期で、
学校でも「子犬を飼ったらまずやるように」と習ったことだったので、
そんなものだと疑わずにやってしまったんです。

2時間もしくは子犬が寝るまでと言われたけれども、2時間じゃまずのんちゃんは寝なかったし、
それどころか日増しに抵抗がひどくなっていくので2時間やり続けるのも一苦労でした。

やりながらもどこかで「これって本当に必要なの?」と思ってはいたんですが、
トレーナーが口を揃えて「やれ」と言うので、のんちゃん生後6ヶ月になるまでやり続けました。
6ヶ月でやめたのは間違いに気づいたからではなく、仕事が忙しくなって時間がなくなっただけです。
ここからわたしの暗黒歴史が始まるのですが…
▼詳しくはコチラ
過去の過ちシリーズ第二弾:犬に八つ当たりした最悪な1年間

なぜ、トレーナーも獣医も、口を揃えて「仰向け抱っこは必要」「やるべき」と言うのでしょうか?
それぞれの視点から考えてみました。

「上下関係」を作るため

まずトレーナーの考えでは、やはり犬との「主従関係」を築くために必要なことだから、
というのが一番の言い分なのだと思います。

犬に関する上で最も大きな間違いの一つだと思うのですが、なぜかいまだに、
「お腹を見せる=服従の姿勢」と思い込んでいるトレーナーや飼い主は多くいます。

パックリーダー論信者はもちろん、パックリーダー論というものを知らない一般の飼い主さんですら、
何となくこのことを知っていて、そして信じてしまっているということが多くあるのです。

つい最近発売されたばかりの新しいしつけ本でも、「お腹を見せているのはあなたをボスと認めている証」
などと書かれているので、何も知らずに読んだ初めて犬を飼うような人は、
そういうものなのか、と信じてしまってもおかしくはありません。

しかし、今までもブログで何度も何度も言っているように、これは大きな間違いです。

お腹を見せるというのは犬のカーミングシグナルの一つではありますが、
決して「あなたをボスと認めます」という姿勢ではありません。

どちらかというと「落ち着いて」という意味の強めのサインで、
攻撃的な相手を落ち着かせる時に使うことが多くあります。

そのため、怒鳴っていたり感情を高ぶらせている人間の飼い主にもこれをよく行います。
厳しい口調で命令したり、強制トレーニングの最中にも、
「怖くしないで」「もうやめて」の意味で使うことがあるのですが、
それをパックリーダー論に洗脳されたトレーナーたちは自分の都合の良いように、
「自分をボスとして認めたのだ」と解釈してしまうのでしょう。

そり犬や人間に飼育されているオオカミなどのように、意図的に作られたイヌ族の群れの中では
明確な上下関係が作られるとのことですので、そういった場合に相手にお腹を見せて
秩序を確認するといったことはあるでしょう。

しかし、人と家の中で暮らしている犬が人や他の犬に対して行う場合は、
「友達になろうよ」という意味が強いのです。

飼い主の前でお腹を見せてゴロゴロするのは、喜びを表すためだったり、
リラックスしてくつろいでいるという場合が多いのです。

もし、怒っている時に愛犬がお腹を見せたのだとしたら、それは「怒らないで」「落ち着いて」
といった意味であなたをなだめようとしているのです。
決して「あなたをボスだと認めています」という意味ではありません。

お腹を見せることは服従のサインではないのですから、トレーナーたちが言うように、
毎日2時間も子犬が寝るまで仰向け抱っこをしても意味がないということです。

診察を楽に出来るようにしするため

とある獣医師は、仰向け抱っこを「治療や診察を十分に行うために必要だ」と言いました。

子犬の内から全身を触られたり、治療を受け入れるようにするように育てることが必要であり、
何よりそれは飼い主の責務だそうです。

その点では同意出来ますが、そこでなぜ仰向け抱っこが必要というよになるのでしょうか。

拘束されることを受け入れられる子にするため、とのことなのですが、
わたしには本末転倒のような気がするのです。

仰向け抱っこは、ただでさえ犬にとってはされる意味がわからず、苦痛なものです。

仰向け抱っこの状態で全身を触ってどこを触られても大丈夫なようにし、
診察の時に触られても平気にするとのことですが、仰向け抱っこの時に全身触られたら、
嫌なことに更に嫌なことの上塗りで、犬は仰向け抱っこも触られることも大嫌いになってしまいます。

必要のないのに、執拗にあちこち触っていてはかえって触られることが嫌いになりますし、
仰向け抱っこで拘束されつづけていては、病院で保定されるのだって嫌がるようになって、
もしかしたら噛み付くようにだってなるかもしれません。

それよりも、普段から必要ないのに触ったり押さえつけたりせず、余計なストレスを与えないで
心に余裕を持たせてあげていれば、本当に必要な時に触らせてくれるようになるのです。

獣医さんが言うように、診察のために仰向け抱っこをするというのは本末転倒であり、
かえって診察出来ない犬にしてしまう可能性があるということです。

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リラックスポジション?

最近では「仰向け抱っこ」ではなく、犬をリラックスさせるための「リラックスポジション」などと言われて、
陽性強化をうたうしつけ教室でもおやつを使ってやるようになってきました。

リーダーになるためではなく、どちらかというと獣医さんの言い分に近く、
お手入れに慣れさせたり、興奮している子犬を落ち着かせるためにやるのだそうです。
このやり方だと、仰向けにして犬が力を抜いたらご褒美としておやつをあげます。

嫌がるからといってやめてしまうと、暴れたら解放してもらえると犬が学習してしまうので、
力を抜くまで押さえつけたままにするというので、結局はリーダーになるための仰向け抱っこと
建前は違いますがやっていることは同じです。

どちらも、犬が嫌がることを無理強いしているということに変わりはありません。

本当にリラックス出来るのか?

そもそも、リラックスポジションと言われていますが、それをやられている犬たちは
本当にリラックス出来ているのでしょうか?

2つの動画をご紹介します。

●柴犬の子犬の例

まずは、黒柴の子犬ちゃんの例です。
冒頭の説明によると今まで何度か仰向け抱っこをされてきているようですが、
いまだに慣れずに苦手とのことです。

問題点を書き出してみました。

まず、動画開始20秒くらいの時に、飛びついてきた子犬に対して膝を突き出し、
蹴るような動作をしています。
この時点であり得ません。
飛びついてきた子犬に対しては、背を向けるなどのカーミングシグナルで対処出来るはずです。

動画開始から1分10秒ほど、説明が終わって仰向け抱っこにかかりますが、
子犬ちゃんが嫌がっているのを無理矢理押さえ込んでいます。

子犬ちゃん必死に身をよじって暴れており、舌をペロッとする仕草も見られます。

トレーナーは「力が抜けて身を任せられるようになることが重要」と言っていますが、
これは犬に「諦めろ」と言っているようなものです。
諦めた犬は無気力になり、虚ろな目で仰向け抱っこをされているのを動画で時々見かけますが、
本当に可哀想でなりません。

仰向け抱っこが始まった子犬ちゃんですが、顔はひきつって緊張し、目はせわしなくキョロキョロして、
体からは全く力が抜けていません。

後ろ足を触ろうとすると嫌がって逃げようとしているのに、無理矢理触っています。
足は犬にとって敏感な部分ですので、不用意に触るべきではないですし、
動画のように無理に伸ばすのは関節を痛めてしまう恐れがあります。

褒めている時の甲高い声もとにかく不快です。

褒めているつもりでマズルを触っているのでしょうが、触り方が雑すぎます。

動画開始4分10秒、爪切りの練習を始めていますが、爪切りを持った手に子犬ちゃん噛み付こうとしています。

仰向け抱っこという嫌なことをされているのに、そこへ更に爪切りという嫌なことをされて、
これでは見ていて本当に可哀想ですしもはや拷問ものです。

慣れさせるという名目であちこち触りまくっていますが、触り方がとにかく雑すぎますし、
マズルをあんな風に触られたら噛み付くようになる可能性もあります。

口を無理矢理開けられた時に指を噛んでいるのもわかります。

動画開始6分頃から、子犬ちゃん本当に嫌になって暴れ始めるのですが、
それをまた押さえ込んでおり、最後に無理矢理押さえ込まれた時は恐怖の表情を浮かべています。

動画が終わるまで終始カーミングシグナルのオンパレードで、落ち着かずに逃げようとしており、
これのどこが「リラックスポジション」なんでしょうかね?

柴犬は特に繊細でストレスに弱い犬種ですので、こんなことをされていたら
ひどい噛み付きが出てくるのもそう遠い未来ではないでしょう。

●アメリカンコッカーちゃんの例

次はアメリカンコッカーちゃんの動画です。

リラックスポジションが始まるのは動画開始3分頃からです。

柴の子犬ちゃんよりは落ち着いていますが、やはり目はキョロキョロ、舌はペロペロ、
度々白目を剥いているのが見られ、やはり全くリラックス出来ていないことがかわります。

3分34秒、ハンドラーの手をペロッと舐めているのが見られますが、
これは「やめて」の合図です。
その後も度々、手を舐めて「やめて」と言っています。

▼合わせて読みたい
犬が「舐める」理由

後ろ足を触られている時、やはり顔がこわばり嫌がっています。

5分10秒、マズルを掴んでグリグリと顔を回されている時に、さすがに嫌がって逃げようとしているのに、
ハンドラーは「大丈夫、大丈夫」と押さえ込み。いったい何が大丈夫なんでしょうか?

褒めている甲高い声がとにかく不快です。

このコッカーちゃんは人好きで陽気な性格のようですが、やはり嫌なことは嫌だと言っているのに、
それを聞いてもらえなくて不憫です。
リラックスポジションが始まる前のトレーニングでも、終始興奮気味なのがわかりますが、
こうやってストレスが蓄積されていくと興奮がもっと酷くなるのではないでしょうか。

また、子犬ちゃんもコッカーちゃんも仰向け抱っこをされている間中、
おやつしか見ていません
つまり、おやつがなければ少しも我慢が出来ないということなのでしょう。

今回いくつか動画を見ましたが、どれもこんな風に暴れたり逃げようとしているのを
無理矢理押さえ込んでいるようなものばかりで、精神的に良くない動画ばかりでした。
もしくは、大人しくしてはいるけれど本当に諦めきった無気力な顔で、
見ていていたたまれない犬たちの動画が多かったです。

リラックスポジションではリラックスなんて不可能

今回ご紹介した動画を見ても、ご自分で動画を探してみてもわかるかと思いますが、
リラックスポジションの状態で寝るまでリラックスなんて到底不可能なのです。

時々、マッサージが上手い飼い主さんがいて、犬が寝てしまうこともありますが、
それだってわざわざ仰向け抱っこでやるべきことではありませんし、
多くの犬は例えマッサージだろうと無闇に触られることを好みません。

自分の場合を考えてみて欲しいのですが、他人の足の間に挟まって仰向けになって、
上から顔をのぞき込まれてあちこち触られている状態で、
リラックスなんて出来ますか?

人間のマッサージの場合だって、だいたいがうつぶせになりますよね。

それを考えたら、あんな状態でリラックスさせるなんて無理なことだとわかるはずです。

興奮して走り回っている犬を捕まえて、仰向けにして落ち着かせると教えるトレーナーもいますが、
そんなことを繰り返していたら犬は飼い主から逃げるようになりますし、
興奮してストレスを感じている犬に更にストレスを加えては落ち着くものも落ち着きません。

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どうしても必要ならお願いしてやってもらう

わたしは普段、犬たちが嫌がることは一切しないように気をつけています。

はっきりと「嫌だ」と言われてからやめるのではなく、少しでも嫌そうな素振りが見られた時、
例えばちょっと顔を背けるとか、舌をペロッとするとか、軽いカーミングシグナルが見られた時点で、
やっていることをやめてあげるのです。

すると、自分の「嫌だ」が聞き入れてもらえた犬は安心します。

安心すると心に余裕が出来るので、受け入れられることが増えるのです。
多少、嫌なことをされても平気になります。

いつもいつも嫌なことばかりされていると、ちょっとの嫌なことでも「絶対やだ」となりますが、
ストレスなく余裕がある状態で、嫌だけど本当に必要なことというのは受け入れられるようになるのです。

仰向け抱っこも同じです。

以前、夏場にのんちゃんが血尿をした時に、膀胱のエコーを見るために、
専用のマットの上に仰向けになってもらう必要がありました。

看護士さんが無理矢理体をひっくり返そうとするので慌てて止めて、
のんちゃんをマットに誘導し、手をくるんっと回して合図をしたら
多少嫌な顔をしたものの自分から仰向けになってくれました。

のんちゃん、もう何年も仰向け抱っこなんてされていないのですが、
それでもちゃんとお腹を見せてくれたのです。
診察の間、大人しくしていることも出来ました。

内股をダニに食われて薬を塗るときも、さっと済ませてあげれば大人しくお腹を出してくれていました。

犬にとって嫌なことというのは無理強いしてさせるものではなく、本当に必要な時に、
お願いしてやってもらえばいいのです。
普段から嫌なことをされていない犬は、たまのお願いなら聞き入れてくれます。
「ちょっとごめんね、薬塗らせてね」などお願いしてからにしましょう。
何も言わずにいきなりやるというのは犬に対しても失礼です。

動画のようにおやつを使うと、犬も飼い主もおやつに気を取られてしまうので、
犬自身の本当の気持ちが見えなくなってしまいますし、
飼い主もおやつを使っているのだから大丈夫だろうと犬が嫌がっていることに気づかないこともあります。
少したってからおやつを抜いてみたら全く出来なかったということがほとんどです。
動画の2頭も、恐らくおやつなしだと全く出来ないでしょう。

だったら最初から、おやつなんて使わずに、どれくらいなら犬は嫌がらないか、
どれくらいのお願いなら犬は聞いてくれるか、というのを見極めることに集中しましょう。

そして、仰向け抱っこなんていう出来なくても特に問題ないようなことは、
やらないでおいた方がいいのです。
逆に、何もやらないでいた方が何でもやらせてくれる子になります。

無理強いではなくお願いしてからやるというのは、犬の気持ちを尊重するという上でとても大事なことなのです。

▼「犬のお腹見せ」合わせて読みたい
お腹を見せる=服従のサイン?
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おまけ

お散歩中、ふと空を見ると。

小さな白い月が見えました。
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2 Comments

yoshioxfujii

早速ひとつの記事にしていただきありがとうございました。
参考にさせていただきます!
本当にリラックスしていれば、解放したときに、みんながみんな「終わった終わった!」とさっさとやめないでしょうし、そもそもリラックスから解放するっていうのもおかしなはなしですよね。
やはり、拘束されることに慣らすトレーニングのひとつになるんでしょうかね。

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瀧沢かいるー

yoshioxfujiiさま

コメントありがとうございます。
こちらこそ、貴重な記事ネタありがとうございました。
おかげでいい記事が書けましたし、自分の中でも色々と改めて考えたので、整理することが出来ました。
そうなんですよね。学生の時はまだ無知だったので納得してしまったんですけど、
本当にリラックスポジションなのであれば、体から力を抜いたら解放なんてことしなくてもいいはずだし、
そもそも慣れさせる必要もないはずですしね。
トレーナーさんとか犬の「専門家」が言うとついそうなのかと納得してしまうんですが、
こっちもこっちでよくよく考えて、疑り深くならないといけないなって思いました。

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