「遺伝病」は当たり前?

   

どうも!

毎朝、犬と散歩に行くことで体温が上がる犬になりたい犬ブロガーの瀧沢かいるーです。

散歩にいけない日は1日寒い寒いと言ってます。お散歩大事。

さて、昨日の記事「犬種標準がどれだけ犬を苦しめているかご存じですか?」で純血種の遺伝病に少し触れました。

日本でも、ペットショップでよく見られるトイプードルやチワワなどの人気犬種は軒並み「膝蓋骨脱臼」や「泉門」「心臓病」などの遺伝病があります。

ペットショップで働いていた時から思っていたのですが、どうもこれらの遺伝病が「あって当たり前」のような認識が広まっているような気がするのです。

今回は、そんな遺伝病に対する恐ろしい認識のお話です。

 

増え続ける遺伝病

わたしが実際に見てきた遺伝病で最も怖いと思ったのが、キャバリア・キングチャールズ・スパニエルに多い「脊髄空洞症」です。脳に対して頭蓋骨が小さすぎることで発症する病気で、次第に神経が傷ついていき、症状が進むと首輪をつけただけでも激痛が走るのだそうです。

わたしが見た子はごく軽症だったのですが、重症化した子は安楽死させることもあります。脳外科手術が行われることもありますが、成功するとは限りません。

更にキャバリアは半数が5歳までに心臓に雑音が入り、10歳をこえるとほぼ全ての犬に雑音が認められるといいます。

これは50~60年代に原産国であるイギリスで心疾患のある犬が繁殖に使われたことが原因だそうです。イギリスではキャバリアは人気犬種で、人気犬種はたくさん子犬を産むため病気は一気に広まるのです。

他にも、ラブラドールレトリバーは関節と目の病気、ゴールデンレトリバーは発がん率が高く、ボクサーは心臓病、脳腫瘍、ガン、てんかん、柴犬などの和犬にはアレルギーが多いのです。

そんな具合にも関わらず、ケンネルクラブは「純血種の大多数は健康」だと断言します。

何をもって「健康」とするのでしょうか。

原因は近親交配

純血種の遺伝病の原因を、遺伝学者は「近親交配が原因」だと言います。

親子、兄弟での繁殖はもちろん、いとこや祖父母と孫などの繁殖も重大な結果を招きます。

純血種を維持するためには同じ犬種の中で交配させるしかなく、その結果近親交配をさせざるをえなくなるのです。

学生時代のとある講師は、「好ましく優れた外見を定着させるために、ブリーダーは近親交配を意図的に行うことがある」と当たり前のように学生に教えました。

その代償が遺伝病なのです。

こうした近親交配は、犬の免疫に重大な問題を引き起こし、感染症への抵抗力が著しく低下します。雑種のほうが病気に強く健康というのは、あながち間違いではないのです。

近親交配により遺伝子プール狭くなりすぎて、危機に瀕している犬種もいます。

そのいい例がパグで、とあるパグは膝蓋骨が外れやすく、胃は裂孔ヘルニアで、軟口蓋過長で鼻腔が狭すぎて呼吸困難になり、下まぶたが長すぎて眼球をこすり、脊椎は湾曲しています。

日常生活が困難な犬ですが、チャンピオン犬の子どもなので高値で取引されるのです。

こうして遺伝病が広まっていくのです。

検査は行われていない

ケンネルクラブ公認の犬種でも、繁殖の前に検査を義務づけている犬種はたった2犬種だけなのです。

実は少し前に、にほんブログ村さんの「ブリーダー」カテゴリに登録しているブログのブリーダーに、繁殖に使う犬たちの遺伝病検査をしているか、と問い合わせてみました。

しかし、大多数のブリーダーが「異常が見られなければ検査はしない」という返答でした。検査をしている場合も全ての遺伝病に対して行っているわけではなく、遺伝病が見つかっても繁殖に問題なければ交配させるとのことでした。

ケンネルクラブは検査を義務づけるとブリーダーが嫌がるからしないと言います。

ケンネルクラブは「純血種を守る」のが役目ではないのでしょうか。いったい何を守ろうというのでしょうか。

ブリーダーも飼い主も知識がなさすぎる

そもそも日本ではブリーダーは「届け出制」で、特に何の審査もなく誰でもなれるのです。

つまり、わたしもなろうと思えば届け出ればなれるのです。

ドッグショーも他国ほど盛んではないので、問題がある「犬種標準」ですら無視されます。その結果、スタンダードとはかけ離れた外見の犬が「血統書」付きで出回るのです。

ペットショップでよく見かけたのが、「立ち耳」のトイプードルです。成犬になれば垂れ耳になるというのが店員の言い分ですが、もともと立っている耳が成長とともに垂れることなど稀で、だいたいは大きくなっても立ち耳かよくて半垂れです。

そして飼う(買う)方も、遺伝病や犬の交配について大した知識はありません。事前に勉強していたとしても、出回っている間違った知識を常識と思い込んでいることも多いのです。

その最たるものが「遺伝病はあって当たり前」という認識です。

「遺伝病はあって当たり前」という恐ろしい認識

一般飼い主に限らず、ペット業界に広まっている恐ろしい認識が「遺伝病はあって当たり前」というものです。

ペットショップの店員は、チワワの泉門やトイプードルの膝蓋骨脱臼、パグの股関節形成不全、和犬のアレルギーを「この犬種にはよくあること」と説明します。

以前通っていた動物病院の獣医は、実家のトイプードルの膝蓋骨脱臼を「小型犬はこんなもん」だと言いました。

あるトレーナーは極端に腰が落ちて不自然な歩き方をするシェパードを見て「これがシェパードの正しい歩き方」だと言います。

ブリーダーは、自分が取り扱う犬種の遺伝病を、ある前提で説明します。

彼らは「遺伝病はあって当たり前」という認識なのです。

これってすごく恐ろしいことではないでしょうか。

これじゃあ遺伝病なんてなくなりっこないですよね。

飼い主も飼い主で、自分の愛犬が遺伝病を持っていても気にもしなければ気づきもしないことが多いのです。

そういう飼い主が「自分の犬の子どもが見たい」というだけで交配させるのだから困ったものです。

 

犬を苦しめているのは人間

純血種のこの見た目、この姿が好き!という人は多いでしょう。わたしもボーダーコリーという純血種がたまらなく好きです。

しかし、そういった人間の娯楽が犬たちを苦しめているのです。

犬は人間の最良の友ではないのでしょうか。人間の勝手な都合で、友を苦しめていいのでしょうか。

純血種に限らず、犬の飼い主はもっと「遺伝病」について興味を持ち、正しい知識を知って欲しいと思います。

遺伝病は人間の努力でなくすことが出来るのです。

決して「あって当たり前」のものではありません

 - まったり育犬, 犬の健康