問題行動の背景を考える~「感受期」について~

   

注意書き「この子犬は著しく社会性を欠いている恐れがあります」

こんにちは!

犬になりたい犬育ブロガーの瀧沢かいるーです。

昨日の夕散歩は、待っても待っても涼しくならなかったので、
仕方なく2頭連れで山に行きました。

山というか、少し登ったところの東屋がある広場まで500mくらいの散歩道なんですが、
20分くらいかけてゆっくりゆっくり登り、上で少しまったりして、
また20分くらいかけて下ってくるので、ちょうど1時間くらい。

山って夏場の散歩に最適ですよね。

日陰だし、アスファルトじゃなくて土だから涼しいし、
あっちこっちに犬の好きな茂みがあるし、物珍しいにおいもあるし。

距離にしてそんなに歩かないけど、クソ暑い中アスファルトの道を
同じだけの時間歩くよりも犬の満足感は全然違うだろうと思います。

ダニの心配はありますが、予防薬やってるので平気だし。
山に行かなくてもつく時はつくし。

これから散歩は山にしようかと思います。

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「うちの犬、大人しくくつろいでたかと思うと、急に攻撃してきて、
血が出るくらい手に噛付くんです」

「うちの子は他の犬を怖がって近寄れないんです」

そんな相談を受けることがあります。

こうした問題行動の背景を考えてみましょう。

犬の行動尾の発達過程はいくつかの段階に分けられますが、
その中でも最も重要とされるのが「感受期」と呼ばれる時期です。

この感受期の過ごし方が、犬の様々な問題行動に大きく関係いしているのです。

 

感受期とは

犬はおおよそ生後3~12週齢の時期を感受期といいます。
ちなみに猫は2~7週齢とされています。

様々な刺激に対する感受性が高まることからこう呼ばれています。

近年では犬の社会化不足による問題行動が意識されるようになってきたので、
感受期の重要性が注目されるようになりました。

犬の場合、5~12週齢くらいが人との交流を学ぶのに最適な時期とされています。
もちろん、この時期までは人と接触させても無駄だということではなく、
この時期に脳の神経回路が集中的に発達して、人と接するための準備が整うということです。

犬は生後3週くらいから他の子犬の後を追う社会的遊びを始めます。
そして6~7週齢くらいで仲間に対して愛着が生まれます。

なので、この時期に仲間から引き離すと不安定になってしまうのです。
またこの時期にストレスを感じると、学習能力にも影響が出ます。

 

生後8週齢規制の抜け穴

ヨーロッパでは「生後8週齢前の子犬を親兄弟から引き離してはいけない」という法律があります。

日本でも、2012年の動物愛護法改正により、生後56日(8週齢)未満の子犬子猫の
販売や展示を禁止するという文言が盛り込まれました。

しかし、これにはいくつかの抜け穴があるのです。

禁止するのは「販売」や「展示」だけ

改正後の動物愛護法が禁止しているのは、8週齢未満の子犬子猫の販売や展示です。

つまり、親兄弟から引き離すことは禁止していないということです。

となると、ペットショップは8週齢より早い段階で子犬を仕入れ、
8週齢になったと同時に店頭に陳列するようになるでしょう。

実際、法改正後もわたしはペットショップで働いていたのですが、
店には8週齢ギリギリの子犬子猫が輸送されて来ていました。

日本には「小さければ小さいほど可愛い」という意識があります。
子犬も子猫も、月齢が低ければ低いほど商品としての価値が高いのです。

▼関連記事
日本人の「かわいいもの好き」が犬にもたらす問題点

現に、この生後8週齢規制がなかなか盛り込まれなかったのは、
ペットショップ業界の強い反対があったからだと言います。

大事なのは展示・販売だけではなく、生後8週齢未満の子犬を親兄弟から
引き離すのを禁止、という文言を盛り込むべきです。

49日という緩和措置

またこの文言には、施行後3年間は45日(もう過ぎています)、
その後別に法律に定める日(いつまでかはわからない)までは49日までとする
というよくわからない緩和措置がとられていることです。

せっかく文言に「56日(8週齢)」という文言が盛り込まれたにも関わらず、
必要ない緩和措置のせいで効果が発揮されていないのです。

なので今もペットショップの子犬紹介ページを見ると、
56日ギリギリの子が新入荷として紹介されています。

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ペットショップの子犬の問題点

いまいち効果を発揮していない動物愛護法のせいで、ペットショップの子犬たちは
様々な問題を抱えています。

売られる子犬たちはだいたい5週齢ほどで親兄弟から引き離され、
8~9週齢くらいまでショップのショーウィンドウに閉じ込められるので、
成長にとって重要な様々な刺激を受けることが出来ないのです。

刺激を受ける機会が少なくなると、脳の神経回路の発達が害され、
状況に対する不適切な反応が起こるリスクが高くなります。
他の犬を見ただけで吠えたり、遊びによる攻撃(甘噛みなど)が抑制出来なかったり、
不適切な遊び行動が見られたりするのです。

また、日本のペット販売業者に子犬を供給する繁殖業者が、
母犬を小さなケージに閉じ込めて、散歩もさせずヒートのたびに
どんどん子犬を産ませ、使えなくなるまで使っては捨てるということを
繰り返している限り、その母犬たちから生まれた子犬が正常な発達をすることは望めないのです。

妊娠中の母犬の健康状態が生まれてくる子犬に影響を与えるという点も無視出来ません。

健康状態がよくない母犬から生まれた子犬は、学習能力が低く、
異常な恐怖や脈絡のない攻撃行動を行うと言います。

このシステムは、さらにその犬たちを一生に渡って苦しめるのです。
様々な環境に慣れていない、他の仲間との社会化が出来ない、精神的に不安定な性質を持ち続けるなど。

こういった犬たちは非常に飼いにくく、飼い主から叱られたり疎まれたり、
挙げ句に殺処分されたりするのです。

犬にとっても人にとっても良いことは何一つないのです。

犬猫をショップで買うということは、犬や猫に大きな苦痛を強いる行為なのです。

 

ヨーロッパの状況を見てみる

ヨーロッパ(特に西ヨーロッパ)では、生後8週齢未満の子犬を親兄弟から
引き離してはいけないと法律に定められています
しかし、良心的なブリーダーは12週齢までは子犬を手元において、
犬同士の社会化や家庭犬として暮らすために必要なしつけをするのが一般的です。

その場合も、日本のようなケージやサークルに閉じ込め飼いではありません。
ケージやサークルを使う人はほとんどいませんし、動物の自由を著しく阻害するような飼い方は、
法律で禁止されているのです。
鎖などで繋ぐことも禁止している国が多くあります。

そもそも、ブリーディングには非常に多くの厳しい法律が課せられているので、
金儲けには全くなりません。
なので、ブリーダーは室内で十分に手をかけられる頭数の犬しか置きません。

ヨーロッパのブリーダーにとって、子犬はもはや商品ではなく、
犬と交換にもらうお金も健全な特定犬種を維持存続させるための費用のようなものだと言います。

 

ペットショップは注意書きを!

以上のように、生後8週齢未満の子犬を親兄弟から引き離し、
たった1匹だけでショーウィンドウに入れて展示、販売するというやり方は、
犬のその後の成長に著しい問題を起こす可能性があるのです。

そのことをよく知らない一般飼い主がショップで犬を飼い、
問題行動に手を焼くというケースが多いのです。

愛犬に何か問題行動が起こった時に、「犬の性格が悪い」だとか、
「主従関係が出来ていないからだ」とか思う前に、
大事な感受期にどんな育ち方をしたかを考えてみましょう。

また、ペットショップにはこんな注意書きが必要ではないでしょうか。

ここで売られている子犬は生後8週齢未満で親兄弟から引き離し、
その後店内で隔離・展示を行っているため、
著しく社会性を欠いている恐れがあります

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おまけ

山散歩中、急に何かの気配を察知したのんちゃん。

妹が「ビックフットじゃね?」とか言ってた。
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 - ペットショップ, 動物福祉, 犬の社会化