学生時代、助けられなかったボーダーコリーの話

      2018/05/03

こんにちは。

犬になりたい犬ブロガーの瀧沢かいるーです。

皆様、昨日の記事にたくさんの愛の一票、ありがとうございました。

ボーダーコリーとして生まれてきたのに、ボーダーコリーの魅力を何一つ愛されることなく、
虹の橋に行ってしまったボーダー君にも、皆様の思いが届いているのではないかと思います。

さて、昨日に引き続き、今回もちょっと暗めのお話です。

そういうのはもうたくさんです…という方は、
るーこのアホ面だけ見てお帰り下さい。またのお越しをお待ちしております。

わたしには、どうしても忘れられないボーダーコリーがいます。

わたしが動物系の専門学校の、ドッグトレーナー科の学生だった時に出会った子です。

ランくん。4歳。男の子。
愛称はらーちゃんです。

わたしの学校では、犬のトレーニング系の学科では、
近隣の一般飼い主さんから愛犬をお預かりして、学校の授業でトレーニングしていました。
学生一人につき、学科によっても違うのですが、だいたい3頭~15頭ほどの
トレーニングを担当します。
わたしは学生だった3年間で、全部で13頭のトレーニングを担当しました。

その中の1頭がらーちゃんです。

らーちゃんは、わたしが2年生の途中で担当し始めた子でした。

当時のらーちゃん、昨日の記事のボーダー君と全く同じ状態でした。

人と見れば誰彼かまわず噛む。
カーミングシグナルも予備動作もナシ。
人は全て攻撃する対象のようでした。

いつもマックスに興奮していて、息は荒く目は血走り、
極度の興奮のせいで泡を吹いて一時的に歩けなくなるなんてこともありました。

担当している犬たちは、飼い主さんが学校まで連れて来てくれるか、
学生が家まで迎えに行くかのどちらかなのですが、
らーちゃんはお迎えに行くパターンの子でした。

そこで驚いたのが飼育環境です。

飼い主さんの自宅は庭付きの一戸建てだったのですが、
庭の、一番家から遠い位置にフェンスを張り巡らされて、
日よけや雨よけも何もなく、野ざらし状態で飼われていました。
おまけに排泄の始末もしていないので、臭いがひどい…

らーちゃんはそこで、狂ったように吠えていました。

飼い主がまたらーちゃんに無関心な人で、
普通ならお迎えの時に挨拶して、お帰しの時に今日どんなことをしたとか話すのですが、
勝手に連れてって、勝手に返してくれ、って言われました。

そのことから、ああこの子は普段から家族に無視されてる子なんだな、と思いました。
だからこんな風になってしまったんだな、って。

とにかく噛まれて服は穴だらけで、手も何度も血だらけになるほど噛まれました。
軍手ナシじゃ近寄れないほどでした。

ドッグトレーニングの授業なので、オスワリとかフセとか、オビディエンストレーニングをやるのが普通なんですが、
そんなことさせられたもんじゃなかったので、まずは一緒にゆっくりお散歩することから始めました。
幸い、らーちゃんが受ける授業の担当講師は、らーちゃんのような子にトレーニングは逆効果だという考えの人でした。

何もせず、ただ一緒にいる、という時間を過ごす内に、
だんだんと、らーちゃんの顔が穏やかになっていくのがわかりました。
相変わらず人は攻撃するけど、わたしには強く噛まないようになりました。
噛むというより、ちょっと手をくわえて、わたしの反応を見てるようでした。

すぐ隣に座れるようになり、寄り添って座れるようになり、背中を撫でられるようになりました。

週1回の授業じゃ足りなかったので、休みの日もらーちゃんを連れて学校に行き、一緒に過ごしました。

完全に軍手を外して一緒にいられるようになるまで、1年かかりました。
その頃にはらーちゃん、わたしが迎えに行くと大喜びで尻尾を振って、
大歓迎してくれるようになりました。

飼い主さんが「絶対に無理だ」と言っていたブラッシングも、足ふきも、爪切りも出来るようになったし、
念願だったシャンプーも出来るようになりました。

授業の前にちょっとお散歩するのを楽しみにしていたし、
ちょっとずつオスワリやフセ、簡単なことを覚えていっていました。

こんなにいい子になったのに、それでも飼い主さんが無関心なままだったんですよね。
飼い主さんが無関心だと、犬だって心を開かないのに。
そもそも、あんなひどい状態のらーちゃんを、プロのトレーナーではなく、
ひよっこどころかまだ卵の学生にトレーニングを頼んだ時点で、
できる限り手間もお金もかけたくなかったんだろうなあと思います。

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らーちゃんが同級生たちからも可愛いと言われて、撫でてもらえるようになった頃、
わたしはあと半年足らずで卒業しなければなりませんでした。
何より心残りだったらーちゃん。
卒業してしまったら、当たり前だけどトレーニングなんてもう出来ないし、
また出会った頃に逆戻りしてしまうんじゃないかと思いました。

そんなわたしに飼い主さんが一言。

「引き取ってくれたらいいのに」

って。結構本気な感じで。

もともと卒業して社会人になったら、ボーダーコリーを飼おうと思ってました。
飼い主さんがいいって言うなら、らーちゃんを引き取ろう!
無関心な飼い主のもとにこれからもいるより、わたしの方が幸せにしてあげられる!
って思いました。

今思うと、卒業と同時に引き取ればよかったなって思います。
中型犬可のアパート見つけられたんだし、仕事に慣れるまでなんて言ってないで、
もうすぐにでも引き取ればよかったなって。

今なら迷わずそうするけど、当時のわたしは卒業後の生活の不安が大きくて、
どうしてもすぐに引き取ろうって思えませんでした。

わたしが卒業した後、新しくらーちゃんの担当をしてくれることになったのが、
昨日の記事に登場した後輩です。
昨日のボーダー君を見て見ぬふりが出来なかったのも、らーちゃんのことがあったからだと言っていました。

卒業までの半年間、後輩にも慣れてもらおうと、らーちゃんのお迎えに一緒に行ったり、
お散歩の時も一緒に来てもらってリードを持ってもらったり、
わたしがいなくなって急に担当が変わって、らーちゃんが混乱しないようにしました。

おかげでらーちゃんも後輩には懐いて、わたしもちょっと心が軽くなって卒業出来ました。

社会人になって、初めての仕事で、慣れない環境で大変でも、
少しでも早くらーちゃんを引き取ろうという気持ちがあったから頑張れました。

学校の方でも授業が始まり、後輩が初めて一人でらーちゃんのお迎えに行っても、
らーちゃんはちゃんと学校まで歩いてくれた、でもちょっと寂しそうだったと連絡がありました。

そのうち様子を見に行こうかなと思っていた矢先のことです。

朝一で後輩が泣きながら電話してきました。

らーちゃんが死んだって。

いつものように迎えに行ったら、庭で死んでいるのを後輩が見つけたそうです。

飼い主さんは出掛けていて、電話にも出なかったので、パニクった後輩、
何を思ったのか警察に「犬が死んでる!」と通報。
その後学校に連絡し、学校から飼い主に連絡をとってくれたそうです。
「犬が死んでいるのですぐ帰るように」と言っても仕事がどうとか渋ったそうで、
キレた先生が強めに「早く帰らないと保健所に連絡することになります」と言ったらようやく帰ったそうです。

飼い主が帰って来るまで、後輩がらーちゃんをずっと抱きしめてくれてたそうです。

死因はわかりませんでした。

もしかしたららーちゃん、わたしに見捨てられたって思ったかもしれない、なんて思いました。

こんなことになるなら、早く引き取ってあげればよかったって、ずっと後悔してます。

あんな狭い場所で、隔離されて、家族の誰からも関心を向けられずに、
どんなに辛く寂しかっただろうと思います。

らーちゃんも、昨日のボーダー君も、この子たちは何も悪くないのに、
どうしていつも犠牲になってしまうんだろうか。

いったいこの子たちが何したって言うんでしょう。

手が付けられない状態にしたのは飼い主たちなのに、
その飼い主が何の罰も受けてないのがどうも納得いかない。

実はらーちゃんが亡くなってちょうど1ヶ月後にのんちゃんが生まれました。
そののんちゃんを引き取る話がわたしのところに来たのは、
偶然と言われてしまえばそれまでですが、当時のわたしには偶然とは思えませんでした。

のんちゃんを引き取った頃から、それまで消えることのなかった、らーちゃんに噛まれた痕が薄くなって消えていきました。それを見て、成仏というか、本当に虹の橋に行ってしまったんだなって思いました。

 

ここまで読んで下さりありがとうございました。

らーちゃんのことは、いまだに言葉にしようとすると上手く話せません。
文章だと尚更、何が言いたいのよって感じですね。

ただ一つ言いたいのは、

全てのボーダーコリーが、犬が、幸せである日が来ますように!!

これだけ!!

もうあんな思いをするのは嫌だ!!

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