リードが「し」の字にたるむのは目標ではなく結果です。
こんにちは!
犬になりたい育犬ブロガーの瀧沢かいるーです。
今日は、お散歩中にリードを「し」の字にたるませることへの誤解についてです。
お散歩中の引っ張りに対するご相談を受けていると、よく飼い主さんたちに言われることがあります。
- リードが「し」の字にたるんだままに出来ない。
- ずっと引っ張っているからリードが「し」の字にたるまない。
ネットやしつけ本なんかを見てみると、散歩中はリードがピンと張らないようにし、リードは常に「し」の字にたるんでいるようにしましょう、
といったことが書かれています。
わたしも、専門時代のトレーニングの授業で同じように習ったことがあります。
散歩中の愛犬の引っ張りに悩む飼い主さんがネットで調べてたどり着くようなサイトには、ほとんど「し」の字について書かれているので、
多くの飼い主さんはリードが「し」の字にたるむことを意識されているのだと思います。
しかし、興奮してグイグイ引っ張るような犬ではどうやったって「し」の字にリードがたるむはずもありません。
そこでどうやったらリードをたるませることが出来るかを次に調べることと思いますが、そのやり方も問題です。
わたしもお散歩ではリードが張らないように、ということを言っていますが、まず勘違いしないで欲しいのが、
リードがたるむというのは目標ではなく、犬が落ち着いて散歩出来るようになった結果だということです。
どうも、リードを「し」の字にたるませて散歩することを目標にしてしまっている飼い主さんが多いように思うのです。
もちろん、リードを引っ張らずに歩けるようになることは大事ですが、それはあくまで結果であって、
まず何よりも愛犬がゆっくり落ち着いて歩き、楽しめるような散歩を提供することが大切なのです。
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どうやってリードを「し」の字にする?
先ほども言いましたが、多くのしつけサイトやしつけ本では、散歩中はリードが「し」の字にたるんでいる状態が望ましい、と紹介しています。
では、どうやってリードをたるんだ状態にするのか。
そのやり方も問題なのですが、大きく分けて2つのやり方があります。
- リードを強く引いてジャークしたりチェーンや時には電気ショック首輪を使用して犬に苦痛を与える方法
- おやつなど食べ物を使った方法
やり方は違いますが、どちらも「犬をゆっくり歩かせる=リードをたるませる」ということを目標にしています。
理由としては、前者の苦痛を与える方法は犬がリーダーにならないようにということで、苦痛を与えて厳しく接し言うことを聞かせようとしています。
おやつを使ったやり方は、引っ張られると人間が歩きにくい、マナーが良くないなどの理由で、犬のためと言っていることもありますがあくまで人間の都合です。
それと、あからさまにチェーンを使ったやり方よりも人間的に犬に優しく見え、簡単で罪悪感もないのでしょう。
根本的解決にはなっていない
しかし、苦痛を与えるやり方もおやつを使ったやり方も、犬が引っ張る根本的な解決にはなっていません。
ブログでも常々言っていることですが、引っ張りなど犬のいわゆる問題行動には対症療法ではなく根本的な解決が必要になります。
散歩中に引っ張るからといって、引っ張りの改善だけしようとしても意味がないのです。
確かに引っ張りは解決されるかもしれませんが、何か別の形で新たな問題行動が出てくることはよくあることです。
現に、引っ張りだけ改善しようとおやつを使ったしつけをしたら、引っ張りは良くなったものの同時に噛み付きが出て来た、というケースがありました。
引っ張りがあるからそれだけ対症療法でどうにかしようというのではなく、もっと根本的なこと、なぜ引っ張るのかを考えてあげます。
引っ張りで多い原因として、
- 日中サークルに閉じ込められている時間が長い。
- 日常的に興奮するような遊び方をしている。
- 散歩時間が十分でない。
- 飼い主が中途半端に厳しい。
などが挙げられます。
一番多いのがサークル閉じ込め飼いによるストレスです。
引っ張りのお悩み相談が来たらまずこれを疑うくらいです。
サークルに閉じ込められている時間が長いと、フリーの時間は犬にとってとても貴重になります。
たまにサークルから外に出してもらえると興奮して遊び回り、飼い主さんも犬に疲れて欲しいのでボール投げや引っ張りっこなど、
犬を興奮させる遊びをしがちになり、その延長で散歩中にも興奮して引っ張るようになります。
また、日常的に犬をサークルに閉じ込めている飼い主さんは仕事などで忙しく、散歩時間が十分でないことが多いです。
すると、貴重な散歩時間に犬は興奮して引っ張るようになるのです。
飼い主が中途半端に厳しいというのは、日によって気分で犬が引っ張るのを叱ったり叱らなかったりなど一貫性のない接し方をしている状態のことです。
一貫して「引っ張るな」という態度だと、犬も散歩中引っ張らなくなるのですが(これもこれで問題有りですが)、日によって引っ張って叱られたり叱られなかったりすると、犬は混乱してしまうのです。
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「し」の字は結果
まったり式散歩でも、犬のリードがたるんだ状態が望ましく、犬はゆっくり歩くのが良いというのは同じです。
しかし、それを目標にはしていません。
散歩というのは犬にとっては食事以上に大切な日々のメインイベントです。
生活の質に大きく関わってきます。
早歩きだと散歩を楽しめないだけでなく、犬が興奮してストレスがかかり、生活の質が大きく低下します。
なので、そうならないように、ゆっくり歩いて楽しんでみない?と犬に提案してあげるのが飼い主の役目になります。
そのために、リードが張りそうになったらじんわりとテンションをかけ、ブレーキをかてるのです。
ガツンと引っ張ってショックを与えたり、おやつで釣ったりはしません。
リードを「し」の字にしようなんて考えていると、犬のボディランゲージの観察がおろそかになります。
はじめの内は犬の早足というのはなかなか直らないでしょうから、そんな状態で「し」の字なんて無理な話なのです。
出来なくて当然なので、はじめから飼い主さんに「し」の字を目指して下さいなんて言うこともありません。
まずは自分がゆっくり歩くことを心がけ、リードが張りそうになったら立ち止まり出来るだけショックを与えないよう、
じんわり、ぬるっとリードを固定することを繰り返します。
リードをたるませることよりも、犬がゆっくり散歩を楽しめるように、邪魔したりせず、逆にリードがたるみすぎて地面に引きずったり、
犬の足に絡んだりしないようにリードは常に手元で長さをコントロールすることに集中しましょう。
犬の大きさに合わせて最低でも3mのリードを使ってもらうので、手元で常にたぐり寄せたり伸ばしたりの調整をしないと、すぐにたるみすぎてしまいます。
長いリードを使うのも犬が散歩を楽しむためで、市販の1mそこそこのリードだと常に張りっぱなしになってしまうので、
そんな状態では犬は散歩を楽しめません。
犬が散歩を楽しめる環境さえ整えてあげれば、自然とゆっくり歩きになってきます。
ゆっくり歩きになればリードは自然とたるんで「し」の字になるのです。
最終的にリードが「し」の字にたるむのは同じですが、まったり式では犬が散歩を楽しめゆっくり歩くようになった「結果」なのです。
まずは犬のためを考える
リードを引っ張らないことよりも、まずは犬の表情やボディランゲージをよく観察し、犬に不快感を与えないようにリードを調整していきます。
散歩はこのリードワークに尽きます。
まったり快適な散歩が出来るようになると、犬はリラックスして落ち着いた笑顔になってきます。
そういう犬は余裕があり、苦手なことも少なく、精神的にも落ち着いて一緒に暮らしやすい犬になります。
リードワークをしたり、根本的な原因を解決したり、ボディランゲージに気遣ったりなど犬のためを思ってやってきたことが、
巡り巡って自分のためにもなるのです。
はじめから人間優先のやり方をすると、犬への配慮がおろそかになり、ストレスをかけてしまい、結果自分も大変な思いをするハメになります。
まずは犬のためを考えたやり方をすることが、犬との暮らしが楽になるのです。
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♪おまけ
昨日は遅番だったのでのんちゃんとるーこにはお留守番しててもらってたんですが。
勤務時間終了10分前に妹からLINEで送られてきた写真がコチラ。
のんちゃんが非常に迷惑そうw
のんちゃんは基本的にカメラとか嫌いです。
遠くから望遠レンズ使って撮られる分には平気そうですが。
るーこはカメラ大好きですね。
撮ってるとのぞき込んで来て「撮って」って言ってくるので。
目立ちたがり屋なのでこういうの好きなんだと思います。
それにしても、いつも自分で撮る犬たちの写真と、妹が撮った写真だと全く別の犬に見えることがあります。
不思議。
昨日の遅番は暇過ぎて半分寝てたので一気に目が覚めましたw
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