高齢になったら腎臓に要注意!
こんにちは!
犬になりたい犬育ブロガーの瀧沢かいるーです。
今日は、愛犬が高齢になったら特に注意したい、腎臓病(腎不全)についてです。
のんちゃんの同胎犬で、東京で暮らしているひなたちゃんが腎不全になったかもれないと、飼い主である専門時代の同級生から昨日連絡がありました。
数日前から全くご飯を食べず、強制給餌をしたそうですが夜中に胃液を吐いたそうです。
今朝になるとさらに具合が悪そうにしていて、これは急性腎不全にでもなったかと、朝一番でかかりつけの動物病院に連れて行ったそうな。
なので今日は仕事も手につかずハラハラしながら結果を待っていたのですが。
結果としては、血液検査には何の問題もなく、腎臓の数値は正常でBUNのクレアチニンも正常範囲内だったと連絡があったのがついさっき。
腎臓の数値は正常でしたが、白血球の数値が高かったことから、臓器以外のどこかで炎症が起こっているのでしょう。
何度か空咳をしていたので、喉の炎症かもしれないとのことでした。
今回はビタミン剤、アミノ酸を投与して、炎症をおさえるために抗生剤とステロイド剤が出されました。
今回、ひなたちゃんは腎臓に異常はありませんでしたが、のんちゃんもひなたちゃんも今年で7歳です。
7歳なんですと言うと、「あらもうおばあちゃんね~」なんて言われることもしばしば。
健康に気を付けてあげなければならない年齢でもあり、現に病気が多くなる年齢でもあります。
そこで今回は、高齢の犬(猫)に特に要注意な、腎臓病とその予防についてお話します。
目次
腎臓病とは?
高齢の犬猫で非常に多いのが腎臓病・腎不全です。
腎臓は主に不必要になった老廃物や毒素を尿と一緒に排泄する役割を持っています。
また、骨の代謝や造血、水分バランスの調節など、身体機能を維持するための役割も果たしています。
その腎臓の機能が低下してしまうと腎臓病になり、老廃物や毒素が十分に排出されなくなり、全身に毒素が回ってしまうのです。
その症状が進行した状態を「腎不全」と言います。
腎臓病には「急性」と「慢性」があります。
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急性腎障害(急性腎不全)
数時間~数日の短期間で急激に腎臓の働きが低下してしまうのが「急性腎障害」です。
慢性よりは発症確率は低いものの、急速に進行するため病院に行った時には手遅れであることも多く、
治療の効果が見られない場合は死に至ることが多い病気です。
症状が進行して腎機能が著しく低下した状態を「急性腎不全」と言います。
原因
急性腎障害になる原因は主に3つあります。
血液量の減少
何ならの原因によって腎臓に流れ込む血液に量が極端に少なくなった場合、腎臓がうまく尿を作ることが出来なくなることによって発症します。
嘔吐、下痢などによる重度の脱水症状や、心臓病、敗血症、大量出血などにより血圧が急激に下がったショックなどが原因になります。
腎臓へのダメージ
中毒などにより腎臓自体に急激なダメージがあった場合に起こります。
例えば、ユリ科の植物や人間用の薬、鉛を含んだペンキなどを食べてしまうと、その毒素が腎臓に回り大きなダメージを与えることがあります。
また、レプトスピラなどの感染症や免疫の以上によって腎臓に炎症が起きたり腎臓の細胞が破壊されるなどのダメージを受けることもあります。
尿の排出トラブル
尿路結石、腫瘍、膀胱破裂などが原因で、尿の通り道である尿路のどこかが詰まってしまい、尿を体外に排出出来なくなると、
腎臓が尿でパンパンになってしまいます。
早期に詰まりを解消出来れば回復しますが、詰まった状態が続くことで腎不全の原因になります。
症状
急性腎障害は急激に症状が進行するため、早期に発見して適切な治療を行わなければ愛犬が死んでしまうことも少なくありません。
以下のような症状が見られたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
- 嘔吐
- 食欲や元気が突然なくなる
- オシッコの量が急に少なくなった
- オシッコが全く出ていない
治療法
急性腎障害の場合、治療で大切なことは腎臓の働きを妨げている原因を早急に特定し、一刻も早く体外に排出することです。
尿が出ない状態が数日続くと命に関わる危険性があるので、一時的に悪化した腎臓の機能が回復するまで予断を許しません。
血液量が現状しているケース
嘔吐、下痢、大量出血などのショックによって体が脱水症状にあるため、点滴で体内の水分量を増やす治療がメインになります。
点滴をすることで腎臓の機能を回復させ、尿が出るようになることが期待されます。
点滴をしても尿が出ない場合は、利尿剤や腎臓の血液を増やすドーパミンという薬を投与することもあります。
腎臓がダメージを受けているケース
腎臓自体がダメージを受けている場合は、その原因を取り除きます。
例えば、腎臓に影響のある抗がん剤などの薬物を投与している場合はすぐに中止し、レプトスピラなどの感染症が疑われる場合は適切な抗生物質を投与します。
また、腎臓に毒性のあるものを飲み込んでしまった場合には、吐かせたり、内視鏡で胃を洗浄する、活性炭などの吸着剤を投与するなどの治療が有効です。
ただし、飲み込んでから時間がたっている場合は手遅れになることもあります。
尿が排出出来ないケース
体内にたまってしまっている尿を一刻も早く排出しなければなりません。
手術が必要になる場合もあります。
その他、血液検査でカリウムが異常に高い場合は不整脈や心停止を起こす危険があるのでカリウムを下げるための早急な処置を行います。
また、嘔吐が見られる場合には制吐剤や胃薬などを投与します。
これらの治療を行っても改善が見られない場合は、腹膜透析や血液透析などの透析治療を検討しますが、これを実施出来る病院は限られていますので、かかりつけの獣医さんとよく相談しましょう。
完治出来るの?
原因やその重症度により異なります。
早期発見、早期治療が出来れば回復も期待できますが、尿が出ていない期間が長いと数日以内に死亡することも少なくありません。
わたしが動物病院で研修していた半年の間に、3頭の犬が急性腎不全が原因で亡くなりました。いずれも10歳以上の高齢犬でした。
また、治療しても回復しきれずに慢性腎不全に移行することもあるので、完治は難しいと言えます。
慢性腎臓病(慢性腎不全)
数か月~数年をかけて、腎臓の働きが徐々に低下していくと「慢性腎臓病」になります。
左右1個ずつある腎臓のどちらか、もしくは両方の以上が3か月以上続いている状態を言います。
犬の腎臓はおよそ80万個の「ネフロン」と呼ばれる管状の構造で出来ており、これが主に血液をろ過して尿を作る役割を担っています。
このネフロンの一部が何らかの原因で壊れてしまうと、他のネフロンがそれは補おうとするのですが、それが長期間続くと補っているネフロンもだんだんと壊れていきます。
こうして働けるネフロンの数が少しずつ減って、腎臓の機能が低下していくと慢性腎臓病になります。
症状が進行した状態を「慢性腎不全」、腎機能がなくなってしまった状態を「末期腎不全」と言います。
慢性腎臓病は進行性の病気で、治療をしても壊れたネフロンは元通りにはなりません。
末期には大きな苦痛を伴うので尊厳死の選択も迫られる病気ですが、早期発見・治療をすることで発見後の生存期間や生活の質の改善が出来ます。
原因
慢性腎不全の原因は、糸球体腎炎、腎臓腫瘍、遺伝性の腎臓病など様々な腎臓病が原因となりえますが、多くは原因不明です。
急性腎障害が慢性腎臓病に移行することもあります。
症状
腎臓病の進行度によって症状は違います。
初期では目に見える症状はありません。
腎臓の機能が25%まで失われる頃には以下のような症状が見られます。
- オシッコの回数や量が増えた
- 水をやたらたくさん飲む
- 食欲がない
- 体重が減った
- 毛艶が悪くなった
- 下痢や嘔吐が増えた
一番飼い主さんが気づきやすい症状としては「多飲多尿」があります。
しかしこの症状が出た時には手遅れであることも多いです。
さらに進行すると体内の老廃物を尿として十分に排出出来なくなり、「尿毒症」という状態に陥ります。
尿毒症の症状
- 元気・食欲がない
- 毛がパサパサしている
- 嘔吐や下痢
- 脱水
- 口臭がアンモニアみたい
- 口の中から血が出ている
- 体温が低い
- けいれん、昏睡が見られる
治療法
腎臓は一度機能が失われてしまうと二度ともとには戻らないので、残念ながら完治は出来ません。
病気を早期に発見して進行をゆるやかにしたり、腎臓病の犬がなるべく快適に過ごせるようにしてあげることが治療の一番の目的となります。
点滴による治療
腎臓病では尿の量が増えて体が脱水症状になりやすいため、病院や自宅で皮膚の下に点滴をします。
これを「皮下補液」と言います。
皮下補液でも脱水が改善しない場合は病院で静脈点滴をしてもらう必要があります。
薬による治療
腎臓への負担を大きくする高血圧やタンパク尿を改善する薬を投与します。
また、尿毒症の原因となる物質が血液にたまるのを緩和してくれる「経口吸着剤」も有効です。
食事による治療
リン・ナトリウム・たんぱく質をおさえた食事に変更しましょう。
腎臓病では食事療法がとても重要なので、初期段階から獣医さんにおすすめされることが多いです。
また、腎臓病でなくてもこうした食事を与えることで予防にもなります。
わたしはドッグフードと手作りご飯を半々であげているのですが、リン・ナトリウム・たんぱく質が低い内容の手作りご飯を考え中です。
透析療法や移植は?
人間の腎臓病の場合、血液を機会によってろ過する透析療法が一般的ですね。
でも犬の場合、感染症のリスクが高かったり、透析をしている間動いてしまわないように麻酔や鎮静剤を使わなくてはならないので、
現時点ではあまりメジャーな治療法ではありません。
麻酔や鎮静剤は少なからず犬に負担を与えます。
また、腎臓は2つあるので、健康な犬から片方取り出し、腎臓病の犬に移植する「腎移植」についても、こういった手術が出来る病院は限られていることもありほとんど行われていません。
出来ないというわけではないので、どうしてもという場合は獣医さんに相談してみましょう。
犬の負担を減らす対症療法が中心
慢性腎臓病は、食事、点滴、薬の治療がメインになります。
腎臓病の進行度合いによって点滴の頻度や薬の量・強さなどを調整します。
また、病気の進行に伴って貧血や嘔吐などのさまざまな症状が出てくることがあるので、そういった場合には症状に合わせて治療をすることが一般的です。
完治出来るの?
先ほども言った通り、腎臓の機能は一度失われてしまうと二度ともとには戻りません。
従って、完治することはありません。
進行の速さや寿命は原因となる病気の種類や進行度合いによってさまざまですが、早期に発見し適切な治療を行うことで寿命を延ばしたり、
犬の生活の質を改善させてあげることが出来ます。
飼い主さんが出来る予防をしっかりしよう
腎臓は沈黙の臓器と言われ、症状が見られないことがほとんどです。
飼い主さんが自分で出来る予防は、普段からよく愛犬の様子を観察していること。
夏でもないし運動もしていないのによく水を飲むとか、そういった変化を敏感に察知することです。
普段の飲水量を把握するためにも、多少面倒ではありますが、何気なくお皿に水を入れるのではなく、計量カップで測ってからあげるようにしましょう。
水を変えるたびにどれくらい飲んでいるかをメモしておけば、「あれ、最近水をよく飲むな」という変化にもすぐ気づけます。
そして、定期的に腎臓の位置を触ってみましょう。
腎臓病は腎臓の表面がボコボコしてくるので、触ってわかることもあります。
腎臓の位置は背中側ですが、とても小さくて正常な状態では触ってもわからないので、獣医さんに正しい位置を教えてもらいましょう。
また、ドライフードを与えている場合は水分をたっぷりとらせないと尿路疾患になるリスクが高くなり、それが原因で腎臓病になることもあるので、
お湯でふやかしたりスープをかけたりして食べさせたほうが予防になります。
口臭も意識してチェックし、アンモニア臭がしないか嗅いでみましょう。
そして何より、ちょっとでもおかしいと思ったら様子見なんてしていないですぐに動物病院に連れて行きましょう。
急性腎障害の場合はこれが生死を分けることもあります。
動物病院で研修中にも、あとちょっと早く連れてきてくれたら助かったのに…ということがありました。
これは腎臓病だけでなく、しこりがあるなといった時も大きくなるまで待っていないですぐさま連れていくべきです。
大きくならないからといって腫瘍でないとは限りません。
高齢だとちょっとした油断が深刻な結果になり、後で泣いて後悔することもあります。
大事な愛犬、ちょっとでも健康で長生きしてほしいですよね。
飼い主さんが出来る予防はしっかりやっておきましょう。
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♪おまけ
のんちゃんが、最近床で寝るのを嫌がって、わたしの座布団を占領します。
のんちゃんと、ついでにるーこ用にクッション買ってあげようかと思ったけど(どうせズタボロにされるだろうと今まであえて犬用では買わなかった)、
この座布団、すでに留守番中ずっとのんちゃんが使ってるみたいなので、これをのんちゃんに贈呈して、自分用に新しいの買うことにしました。
現在、楽天で物色中。
自分用の何かを選ぶなんて本当に久しぶりだわw
新しいの買ったら買ったでそっちを取られそうな気もするけど…
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