それって常同行動じゃない?見逃さないようにしよう!
こんにちは!
犬になりたい犬育ブロガーの瀧沢かいるーです。
今日は、ストレスサインの一つである常同行動についてお話します。
「常同行動」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
何それ?という方、聞いたことはあるけど詳しくは知らないという方が多いのではないかと思います。
犬によく見られる常同行動の代表としては、尻尾を追いかけてクルクル回る、前足をずっと舐めているなどです。
これを見ても飼い主さんは多くの場合、遊んでいるのだろうと思ったり、痛くて舐めているのかな?と気にして病院に連れて行っても「異常なし」と言われ、そのまま放っておいてしまうことが多いです。
実際に痛くて舐めていることもあるのでやっかいですね。
しかしこれもストレスサインの一つであり、犬がストレスを抱えているということであり、ストレスマネジメントが必要なケースです。
日常的に犬がやっている行為だと、常同行動だと飼い主さんがなかなか気づかないことが多いのですが、環境を犬にとって好ましいものに変え、飼い主さんに接し方を変えてもらうだけで大幅に改善されることがほとんどです。
そこで今回は、犬のストレスサインの一つである「常同行動」について詳しく説明します。
そういえばうちの子もよく尻尾を追いかけるな、よく前足舐めてるけどあれってもしかして常同行動かも?と心当たりのある飼い主さん、ぜひ読んでみて下さい。
はじめに一つだけ言っておくと、トレーナーに相談は絶対NGです。
目次
常同行動とは
Karen L.Overall著、森裕司監修の『動物行動医学』という本に、この常同行動について詳しく解説されています。
犬猫に認められる常同行動として、以下の12項目が挙げられています。
- 旋回する
- 尾を追う
- フェンスを突破する
- ハエを咬む
- 自咬症(脚端舐性肉芽腫、神経性皮膚炎)
- 毛または空気を噛む
- 異嗜
- 歩き回ったり急に向きを変えたりする
- じろじろ見て吠える
- 何らかの攻撃行動
- 自分に向かって吠える
- ウールを吸ったり、噛んだりする
ハエを咬むなどなかなかなじみのないものもありますが、その場でずっとグルグル旋回していたり、皮膚が赤剥けてもずっと手を舐めたり、
毛を噛んで抜いたり、見慣れているはずのものにいつまでも吠えていたり、何もない場所に向かって吠えていたり、タオルを吸ったり噛んだりというのは、常同行動としてよく見られるものです。
のんちゃんは今でもちょっとストレスがかかると、グルグル回ったり、お気に入りのタオルを咬んだりというのをやります。
ここには書いてありませんが、空気を舐めるようにずっとペロペロしているというのも常同行動の一つに入ります。
噛んだり舐めたりという行動は、深刻化すると自分の尻尾を咬みちぎってしまったり、皮膚が赤くただれていても舐め続けてしまうことがあります。
クルクル回ったり、舐めたり噛んだりという行動も、数回であれば問題ありませんが、それが何十分も続くようであれば常同行動の可能性があります。
特に興奮時に発作的に起こることが多く、一度始めると飼い主が何を言ってもやめず、無理矢理やめさせようとすると噛みついたりしてくることもあります。
犬自身の意思ではやめることが出来なくなっているので、水をぶっかけるなどの対処をしても止まらないことがほとんどです。
常同症と診断されることも
こうした行動がある場合、常同症(強迫神経症)と診断されることもありますが、その診断と治療はとても難しいものです。
常同症とは、一定した一連の動作をはっきりした目的なく反復的に繰り返すことです。
グルーミングや摂食行動など、通常は正常な生活行動を、いつまでも永遠と繰り返してしまうのです。
通常であれば正常な行動を、繰り返すことで正しい機能の発揮を妨げているのであれば、障害に分類されます。
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原因はストレス
常同症であってもなくても、同じ行動を目的なく、自分の害になるほどひたすら繰り返すというのは、ストレスが原因であると考えられます。
人間であれば戸締りを何度も何度も執拗に確認したり、手を何度も洗ったり、体を掻きむしったり、ゴミをため込んでしまうなどの状態です。
人間のこれらの行動がストレスが原因であるのと同じように、犬の常同行動も何らかのストレスを長期間に渡って抱え続けたことで発症することが報告されています。
過度に行動を制限される(サークル閉じ込め飼い)、長時間に渡る留守番、何をやってもきつく叱られるなどの欲求不満や無力感が主な原因です。
これらのストレスから逃れたくても逃れられないという状況が長期間続くと、常同行動が引き起こされるのです。
人間に飼われている犬だけでなく、動物園で飼育されている動物が狭い檻の中をひたすらグルグルと歩き回っていたり、ずっと体をゆすったりという行動も常同行動になります。
動物園の動物の場合は、本来彼らが暮らしている自然環境からは程遠い、人工的な動物園の環境に適応できずにストレスをため込むことで発症します。
また、本来仲間とともに暮らす種の動物を1頭や少数で飼育していたり、運動量を必要とする動物を狭い檻に閉じ込めたり、潜在的な欲求が満たせないことも原因となります。
ドッグトレーナーに相談は絶対禁止
愛犬に常同行動が見られ、それが日々の生活に支障を来したり、犬自身に害を与えるような場合は、専門家に相談しましょう。
注意点として、犬の常同行動を含む常同症・強迫性障害は精神疾患です。
一般の動物病院では精神疾患は対象外となってしまいますので、行動治療科が置かれている動物病院を探さなければなりません。
他にも、ドッグビヘイピアリストが犬の精神疾患の専門家になりますので、相談してみましょう。
なお、ドッグトレーナーや訓練士は、犬の精神疾患については専門外です。
彼らは犬のトレーニングの専門家ではあるかもしれませんが、犬の病気や精神疾患については専門外なのです。
多少の知識はあるかもしれませんが、下手なトレーナーに頼むと「やっているのを見たら小石が入った缶を投げて脅かしてやめさせるように」などと言われて更に悪化させかねません。
犬に何かあったらまずトレーナーに相談というのは、特に常同行動においては絶対NGです。
常同行動はやめさせた方がいい?
グルグル回ったり、手を舐めたりという常同行動は、やっているのを見つけたらやめさせたほうがいいのでしょうか?
気をそらすくらいでやめさせられるのならいいですが、常同行動の最中は犬自身も自分の意思ではやめられなくなっていることがあります。
それを無理にやめさせようとすると、余計に興奮させて症状が悪化したり、噛みつきなどの原因になってしまいます。
どこかのトレーナーが言ったように「小石を入れた缶を投げて脅かしてやめさせる」なんてことをすると、悪化させる一方です。
やっているのを見かけたら、おやつなどで気をそらせない場合、無理にやめさせるのではなく犬が自分でやめるまでそっとしておくようにしましょう。
治療と予防、まずはストレス対策を
常同行動の原因はストレスです。
なので、常同行動の改善にはまず第一にストレスの原因となっているものを突き止め、排除しなければなりません。
その上でストレスマネジメントを行い、なるべく犬がリラックスできるよう犬にとって好ましい環境を整え、落ち着いた穏やかな生活を提供します。
サークル閉じ込め飼いをやめて完全室内フリーにし、留守番を6時間以内におさめ(無理ならシッターを頼むなど工夫を)、充実した内容の散歩をさせてあげて、
適度な刺激を与え、生活リズムを整えてあげれば、常同行動を改善することが出来ます。
深刻な場合は抗不安剤や抗うつ剤を使うこともありますが、副作用や依存性の強いものもあるので、処方には行動治療科の獣医師に必ず相談しましょう。
常同行動の相談はよく受けますが、今のところ薬を使うほど深刻なケースはありませんでした。
多くの場合、環境の改善と飼い主さんの接し方を変えてもらうと大幅に改善されます。
ポイントは以下の通りです。
- 毎日同じ時間に散歩や食事をし、生活リズムを整える。
- 興奮させることやストレスを与えることはしない。
- コマンドゲームなど頭を使う遊びをする(トレーニングではなくあくまで遊び、絶対に叱らない、1回5分程度)。
- 炭水化物多めの食事を与えセロトニンの放出を促す。
- サークル閉じ込めや長時間の留守番はしない。
- 散歩中はにおい嗅ぎをしっかり出来るようにする。
- 日光浴をさせる。
これは治療だけでなく予防の観点でもとても有効的です。
軽度の場合はこれを徹底することで1~2週間で改善されていきます。
のんちゃんも一時期、いつまでもいつまでも前足を舐めていることがあったのですが、これを徹底してあげることで2週間ほどで改善され、
1カ月くらいたつ頃には全くやらなくなりました。
基本的にはストレスマネジメントでストレスを減らし、日常生活からストレスの原因を取り除いて、犬にとって好ましい環境に変えてあげることで改善していきます。
ストレスサインを見逃さないように
常同行動は誰の目にも「おかしいな」と思えるものなのですが、見逃している飼い主さんが意外と多いのです。
尻尾を咬みちぎりそうになったり、血がにじむまで前足を舐めて、ようやく対処し始めるという人がほとんどです。
対処のしかたを間違えて悪化させてしまったり、トレーナーに相談して言われた通りにやって悪化させてしまう人も多いです。
グルグル回ったり、前足をずっと舐めていたり、何もないのに吠えたりという行動をしていたら、愛犬が何かストレスを抱えているサインだと思って下さい。
そして、常同行動そのものをやめあせようとするのではなく、ストレスへの対処を行ってあげて下さい。
全ての問題行動に共通することですが、問題行動だけをやめさせようとしても上手くいきません。
ちゃんと原因を究明し、根本的に解決しないといけないのです。
常同行動もそれは変わりません。
うちの子はストレスなんてないだろうと過信せず、どんな小さなストレスサインも見逃さないよう、日頃から愛犬をよく観察しましょう。
そして、少しでもおかしいなと思ったら、深刻化する前に早めの対処をしてあげて下さいね。
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♪おまけ
さっきね。
ちょっと部屋の掃除してて、ストーブ移動させた時に気づいたんだけどさ。
ひぇぇぇえええ~~~~~何これぇぇぇぇぇぇええええええ~~~…!!!
ストーブのコード、誰か噛んだでしょこれ。
いつからこう?
このストーブだいぶ前から、のんちゃんうちに来る前から使ってるんだけども。
ストーブのコードなんてそんなまじまじ見ないし、ずいぶん前からこうだった可能性大。
容疑者2頭。
どっちも子犬の頃はコードとか大好きだったけど、個人的にはのんちゃんが怪しいと思ってます。
充電器、洗濯機、炊飯器、掃除機、テレビと、一通りのコードは被害を受けてきたので。
そんな前から気づかなかったわたしもわたしだな。。。
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