『星守る犬』を読めば日本の犬の現状がよくわかる。
こんにちは!
犬になりたい犬育ブロガーの瀧沢かいるーです。
今日は、漫画『星守る犬』を読んだ感想についてお話したいと思います。
『星守る犬』は「漫画アクション」にて2008年から2009年にかけて連載された漫画です。
「ダ・ヴィンチブック・オブ・ザ・イヤー2009」では「泣ける本ランキング」と「読者が選ぶプラチナ本」にて第一位になったなど有名な漫画ですので、犬を飼っている、犬が好きだという人は読んだことがある人も多いかもしれません。
『星守る犬』は「星守る犬」とその後日談である「日輪草(ひまわりそう)」の二部構成になっています。
第一話「星守る犬」は、主人公の犬「ハッピー」が小学生の女の子「みくちゃん」に拾われ、おとうさんの家で暮らす様子を「ハッピー」視点で描いています。
「みくちゃん」が成長してハッピーに興味がなくなり、「おとうさん」が病気になって妻であるお母さんに離婚を切り出され、家族とともに住む家も失った「おとうさん」が、唯一残った「ハッピー」を連れて旅に出て、死ぬまでのことを描いた話です。
日輪草(ひまわりそう)
ケースワーカーの奥津京介が主人公です。
仕事で取り扱うことになった行旅死亡人として発見された「おとうさん」の遺体のかたわらで、ともに死んでいた犬に興味を覚え、手掛かりをもとにおとうさんの身元と死ぬまでの過程を調べようとする話です。
奥津が過去に飼っていた犬の思い出を交えて描かれています。
2011年には西田敏行さん主演で映画化もされたので、それを観たって人もいるかもしれませんね。
漫画も映画も、レビューを見ると「感動した」「涙が止まらない」「素敵なお話」という評価の高いレビューが目立ちます。
しかしわたしは、漫画も映画も、見ていて何だか微妙な気分になりました。
はっきり言えばむしろ不快な気分になりました。
評価の低いレビューは少数派ですが、わたしは賛否どちらかというと「否」の方です。
犬の立場になってみれば迷惑千万な飼い主たちであるにもかかわらず、それに対する否定的視点がいっさい感じられないし、お涙頂戴の犬と人間の「イイ話」にまとめられてしまっているんですよね。
しかし逆に、この『星守る犬』を読めば、日本の犬がおかれている現状がよくわかるなと思いました。
そこで今回は、わたしが『星守る犬』を読んだ感想と、漫画から読み解く日本の犬の現状についてお話します。
『星守る犬』の漫画あるいは映画を観たことがあるという方、純粋に感動しただけで終わってしまったという方、ぜひ読んでみて下さい。
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『星守る犬』みんなの評価は?
まず、『星守る犬』に対してみなさんがどう評価しているのかを見てみましょう。
Amazonのレビューを参考にしています。
決してハッピーエンドになる話ではなく、むしろ読んでいて胸が締め付けられるような気持ちになる。
だが同時に深い愛のような、かけがえのない大切な思い、考えなどを訴えかけてくるような力を感じる作品です。
読み終えるころには慈愛に満ちた気持ちにさせてくれます。
とても悲しい話ですが、素直に犬の優しさ、けなげさを感じることが出来る作品だと思います。
ハッピーはいつも隣にいてくれた…
これは犬に救われた幸せな一生を送った普通のおじさんの話です。
誰もが陥りかねない男の末路。それに巻き込まれながらも、変わらぬ忠実さ、愛で添い続ける犬。
犬の視点からも描写される犬の無垢な人間に対する愛着と一方で無情な人間の振舞いに胸がつまります。
きっと社会的には幸せとは程遠い飼い主でしたが、最期の時は何より信頼できる親友と過ごすことができて幸せだったのではないかと思います。
もの言わない動物の素直な優しさと、心のよりどころを求める人との、素直に癒される感動作。
犬はお父さんに先立たれ、その後息絶えるまで孤独で寂しい思いをするが、この犬の一生が不幸だったとは思わなかった。
子犬の頃、おとうさんの娘に拾われたからこど、だんだん変化があったにしても離婚するまでは家族の一員として楽しかったと思う。
離婚後も、大好きなお父さんと毎日二人で過ごせたことが、この犬にとっての幸せなのだと思う。
評価の高いレビューをざっと抜粋してみましたが、犬の人間への愛だの忠実さ、無垢、素直さ、優しさ、そして飼い主のそばにいることが犬の何よりの幸せなど、そんな言葉が目立ちますね。
感動した、泣けた、号泣したというレビューが乱立しています。
ちなみに低評価のレビューは「展開が早すぎて泣けない」「設定に無理があって泣けない」といった内容なのですが、泣けるか否かっていうのが基準なのでしょうか。
わたしが読んだ感想は、先ほども言ったように、微妙、むしろ読んでて不快な気持ちになる、です。
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「よくいる飼い主」の姿がよくわかる
「感動」はしませんでしたが、この漫画は「よくいる飼い主」家族の姿がよく描かれているなと思います。
お母さんは子犬のハッピーが家具をかじるという子犬として当たり前の行為をした時に、お尻を何度も叩きます。
直後にハッピーは足をひきずって歩いているので、よっぽど強く叩かれたのでしょう。
ハッピーを拾ったみくちゃんは、自分が拾ってきたのにハッピーが子犬の頃だけ遊んであげて、大きくなったら興味も示さない。
お父さんはハッピーを可愛がっているようだけど、ジャーキーばかりあげて尿結石にしてしまいます。
挙句、病気を患い妻子に捨てられたお父さんは、ハッピーのためにも自分の生活再建につとめなければならないのに、ハッピーを道連れに放浪に旅に出てしまうのです。
何なんだこの人たちは。
ここまで読んで不快感が止まらない。
犬を飼って生活保護は受けられない?
実際、失業保険の給付期間は短いものです。
わたしも受給していたことがあるのですが、その間に再就職が決まる人はあまりいないそうです(わたしは幸いにもすぐ決まりましたが)。
しかしこのお父さんのように持病を抱えて再就職が困難で、資産を売却処分して所持金が底をついたという場合は、生活保護を申請出来るのです。
生活保護受給というと、「みじめ」だとか「人に知られたら恥ずかしい」などと考えてしまっている人が多いですが、憲法第25条にうたわれた「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障する立派な制度なのです。
そんなタイトルのドラマが少し前にやってましたね。
犬を飼っているなど動物を飼育していたら受給できないなどという規定はないですし、ペット可アパートに住みながら受給することも出来るのです。
なので、自分の生存権と犬の生存権を守るために、まずは生活保護を申請すべきなのです。
いきなり育と「水際作戦」にあいかねないので、生活困難者で生活保護の受給を希望する人に付き添ってくれる団体などに相談しておくといいでしょう。
主人公のお父さんの不幸が、「小泉改革がもたらしたもの」であったと指摘するところは唯一「おぉ~~~」と拍手したところです。
社会福祉切り捨てにより、もともと脆弱だったセーフティネットを破壊しつくし、貧困を拡大再生産した責任は重い。
そのせいで発展途上国並の社会福祉水準になってしまいましたが、人の場合、生存権は保障されています。
というか、保障されなければならないものです。
なので、そのための制度というのは活用されるべきですし、使うべきなのです。
教訓「犬は飼い主を選べない」
さて犬の話に戻ると。
この家族のように犬について何の知識もないまま飼い始め、その後も全く勉強せずに暮らしているという家族はけっこう多いものです。
その結果、困り果ててわたしや知り合いのカウンセラーのところに相談してくる人が後を絶ちません。
犬はおもちゃではないのです。
それぞれに意思と感情を持った、命ある存在なのです。
その命に責任を持ってください。
家族で飼う場合には、この漫画の家族のようにお母さんと娘が無関心という状況では飼うべきではありません。
家族全員が犬を飼うことに前向きで、犬好きでないと、後々行動上の問題をはじめ、さまざまな問題が生じて来るということを、ペットショップにいた頃からつくづく感じています。
誰かひとりでも、あまり犬が好きではない(むしろ嫌い)という人がいると、その家庭で飼われる犬は窮屈な思いをして、ストレスを溜めやがてストレス行動が出るようになるのです。
すると、犬が好きではない家族はますます犬が嫌いになります。
犬が好きでいつも犬の面倒を見ている家族が倒れたとたん、犬は放っておかれることにもなりかねません。
捨て犬ハッピーも、この家族に拾われることで殺処分は免れたものの、QOL(生活の質)が高いとは決して言えない生活を強いられた挙句に餓死してしまったのです。
ハッピーのこの悲惨な運命を、どうして「感動した」なんてなくことが出来ますか。
犬は飼い主を選べない。
この漫画から得るべき教訓はこれであり、しっかり胸に刻みたいものです。
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♪おまけ
今日から7月ですね。
ということは、もう1年の半分が終わったということですね。
早いなあ~年とともに1年が過ぎるのが早く感じるっていうけど、これ以上早くなってどうすんだ。
7月初日の朝んぽは、久しぶりにのんちゃんとるーこ一緒に公園→山のコースでした。
時々、一緒に行ってあげるとるーこが喜びます。
のんちゃんはるーこが一緒でも自分の世界に入って、眼中にない感じですが。
7月最初の写メがこれ。
どっちもよそ見してるとか…w
母が新しくスマホ買ったんですけど、すごく画質がいいの!
わたしのは購入した4年前当時すでに少し古いやつだから、母のと比べると画質悪いんだよな。
いつもカメラ持ち歩くのも面倒だし、画質のいいスマホ欲しいなあ~。
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