わたしがパックリーダー論を否定するワケ

犬を不幸にするパックリーダー論信者に告ぐ!

こんにちは!

犬になりたい犬育ブロガーの瀧沢かいるーです。

今回は「パックリーダー論」なるものをわたしが否定しているワケをお話します。

長く犬のトレーニングの中に根付いている「パックリーダー論」ですが、実は随分前からヨーロッパなどでは否定されていますよね。わたしは学校でパックリーダー論肯定派の人と否定派の人から教わり、自分でも色々調べて体験した結果、否定する考えを持つようになりました。

研究により否定されているにも関わらず、なぜかそれが浸透せず、いまだに根強い人気?のあるパックリーダー論。

心のどこかでは「これは間違ってるんじゃないのかな…」と思いつつも、なぜ間違っているのか根拠がわからずにいる人も多いかもしれません。

実際、「パックリーダー論は間違っていると思うのだけど、正しいと言ってくるトレーナーに対してどう言えばいいのかわからない」と相談してくる飼い主さんもいらっしゃいます。

そこで今回は、以前はパックリーダー論が正しいと思っていたわたしが、間違っていると思うようになった理由と、根拠をお話します。

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そもそもパックリーダー論とは

パック(群れ)リーダー論とは、オオカミが群れを作り順位付けをするということが基本になっていて、オオカミの子孫であるイヌに対しても群れのアルファ(上位)の個体の行動を飼い主が真似ることによって、しつけが楽になるという考え方です。

犬の先祖であるオオカミの生態、群れの研究からヒントを得て、80年代にアメリカで「リーダーシップ論」に基づいた犬のしつけが流行り、それが日本に持ち込まれました。

この時代に勉強したトレーナーの多くはいまだにパックリーダー論に基づいたトレーニングを行っている人が多いですし、またアルファシンドローム(権威症候群)のしつけ論を支持している人が多いことも特徴です。

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わたしがパックリーダー論を否定する根拠

①イヌとオオカミは違う生き物である

確かにイヌはオオカミの子孫ですが、オオカミそのものではありません。

ヒト=サルではないのと一緒です。ヒトの行動をサルをもとに説明しようとするなんて無理がありますよね。それと同じで、イヌの行動をオオカミをもとに説明するのにも無理があるんです。

そもそもイヌはオオカミのネオテニー(幼体化)ですので、成犬になっても子オオカミの性質を強く残しています。イヌは成犬になっても遊びたがりますし、「ワン」と吠えます。飼い主の口を舐めるといった行為は、子オオカミが親の口元を舐めるのと同じです。

なので、大人のオオカミの研究をもとに作られたこの「パックリーダー論」を、子オオカミの性質を持つイヌに当てはめるのは無理があるんです。

②イヌはヒトを同種とみていない

「犬は自分と異なる種類の生き物を仲間として認めることが出来る。だから人間にとって最も近しい存在として共に暮らすことができる」

なんて聞くと、ちょっと感動的ですよね。

でもこれは違います。

自分と異なる種を“仲間”だと認められるのは人間のほうで、人間が犬を人間社会に引き込んだんです。人間が勝手に「犬は人間を仲間だと思っている」と勘違いしているにすぎないのです。犬が人間にとって最も近い存在として共に暮らせるのは、“順応能力”が高いというだけのことなんです。

「うちの犬は自分を人間だと思ってるの」なんて言って愛犬を犬扱いしない飼い主さん。それって「人間を犬扱いする」っていうのと同じことですから。今すぐ犬は犬として扱ってあげてくださいね。

③そもそもオオカミは群れを作らない

この根拠の説明には、L.David mech博士という人の研究レポートを紹介させて頂きます。初めてこれを読んだ時、わたしは衝撃を受けました。

オオカミは、人間と同じく、父、母、兄弟姉妹の家族単位で行動しており、「アルファ(リーダー)のオオカミ」というものは存在せず、支配性を巡って対立したり闘ったりするようなことはない。
時折、血縁関係のないオオカミが「養子」になったり、親戚が行動をともにしたりすることはあるし、父や母が亡くなった場合は継父や継母が代わりに家族になったりすることもまれにある。
両親(特に父親)が家族に対して強い支配性を持ち、群れのボスを持つ他の動物のように「リーダー」が変わることもなく、年老いても親は親であり、子どもたちは親に対しては一生敬意を払い、支配性を巡って親に攻撃をしかけるようなことはない。
なぜ家族単位で暮らしているのかというと、オオカミには天敵となる動物がいないので身を守るための大きい群れをつくる必要はなく、全員が十分な食料を得るのにちょうどいいサイズだからである。
ではなぜ、オオカミはトップに君臨する「アルファ」から最下位の「オメガ」まできっちり階級があると世間一般に思われているのかというと、これまでの観察方法が野生のオオカミを集めてつくった人工的な「群れ」をもとにしたものであり、強制的につくられた「群れ」の中では、オオカミは「階級」をつくるのである。

 

な~~~るほどなぁ~~~。

 

人間にしても同じですよね。家族の中では父親が一番強くて(母親かも?w)、家の中で権限を巡って争うことはないけど(リモコン権とかはあるけどね)、会社に行けば階級があるし、権限を巡って争ったりしますよね。醜い争いね。

またこのレポートを見ると、犬に必要なのはリーダーよりも親なのかなと思います。まあ違う生き物である人間を犬が親だと思ってくれるかどうかはわかんないけども。

 

イヌは群れを作るのか?

人間と暮らす犬は順位付けの意識が希薄であることがわかっています。

また、わたしたちが共に暮らす犬が野生化した野犬は、飼い犬よりもオオカミに近い生活だといえますが、野犬たちは普段は単独行動をしていることがタイの研究でわかっています。お互いに干渉せず、縄張りの意識も薄いそうです。

ただ、子育ての時期になると母犬の姉妹が手伝いに来たり、母犬が亡くなった時に子犬たちを里子として育てることもあります。しかしオオカミのように家族単位で暮らすこともなく、子犬も成犬になれば親元を離れて暮らします。

必要とあれば自ら群れを作ることもある?

先日「アニマルプラネット」で面白い番組を見ました。

どこだったか忘れたのですが、ヨーロッパのとある国で野犬の行動を研究する女性を追った番組でした。その中で、普段は街で単独行動をしている野犬たちが森に集まって群れを作り、鹿を狩って食べているという内容があったんです。その群れのメンバーは毎回同じわけではないのですが、必ず明確な順位付けがあり、高位の個体から狩った鹿を食べるという決まりがありました。

このことから、何か目的があれば犬は群れを作ることもあるとわかりました。明確な順位付けがあるのは、“目的”のために強制的に作られた群れであり、自然に出来た家族による群れではないからです。

しかしやはり、同じ野犬でも人から十分に食糧えお得られている地域の野犬たちは、わざわざ群れを作って鹿を狩る必要もないので、群れを作るという行動はしなかったとのことでした。

同じ場所に集まっていても明確な順位付けはなく、お互いに干渉しすぎずに十分なパーソナルスペースを確保して生活しているので、群れを作る必要がなく、自然な状態の犬は群れを作らないのです。

 

犬は人間をリーダーだと思うのか?

そもそものことなんですけど、犬って人間をリーダーだなんて思ってくれるんでしょうか?

生活習慣も考え方も、第一種族も違う相手にあれこれ命令されたところで、リーダーだなんて思いますか?宇宙から来た目の大きい頭でっかちな銀色のエイリアンに命令されたところで、人間は奴らをリーダーだと思いますか?ってのと同じ質問ですが。

その辺は犬に聞いてみないとわからないですけど、少なくともパックリーダー論なんてものを振りかざして偉そうに振る舞ってる人間のことは、リーダーだなんて思ってないですよね。

生活習慣も考え方も、種族も違う宇宙から来た目のでっかいエイリアンが、わたしたち人間に対してとっても友好的で、人間の文化に興味を示して、理解してくれようとすれば、わたしたちも彼らを理解し、仲間になろうと思えるかもしれません。

エイリアンだって、わたしたちが急に攻撃したり排除したりしようとせずに、相手のことを理解しようとすれば仲間だと思ってくれるかもしれません。

要は、生活習慣も考え方も、種族すら違う相手に対して自分の考えを押しつけ、抑圧したり攻撃的な態度をとってリーダーになろうなんてしても認められないと思うのです。

そうではなく、相手を理解し歩み寄ろうとすれば、リーダーにはなれませんが、友達や仲間にはなれますよ。

 

犬は人間のリーダーになろうだなんて思っているのか?

飼い主が頼りないと犬がリーダーになるなんて言いますけど、誰が言い出したんだこんなこと。

そもそもなんで犬が人間のリーダーになるだなんて妄想に取り憑かれちゃってんの。めちゃくちゃありえないでしょ!人間を支配するようになるならまず猿だよ。猿の惑星になるほうが先だよ。

わたしたちのそばで安心してお腹出して寝てる可愛い毛むくじゃらな生き物が、虎視眈々とリーダーの座を狙ってるだなんて、なぜ思うの。

可愛い毛むくじゃらが攻撃的になって噛んだり時には人の指を食いちぎったりするのなんて(うちの祖父が訓練中の警察犬にやられました)、人間が犬に対して攻撃的な態度とってるからですよ。

っていうかいいじゃん、犬がリーダーでも。人間が支配するよりもずっと世の中平和だよ。喜んで従おうよ。
あ、ちなみにジョークですよ、本気にしてグチャグチャ言ってくる人がいるので一応。

パックリーダー論が犬への虐待を正当化する

人間が犬のリーダーになるためにやるべきこと

  • 犬より先に食事する
  • 引っ張りっこ遊びは必ず飼い主が勝つ
  • 飼い主の目線より高い位置に上げない
  • 一緒に寝ない

わたしはこれ何一つ守ってません。

犬には先に食事させちゃうし、引っ張りっこは犬が勝って終わるし、お腹の上に犬乗せてるし、毎晩いっしょに寝てる。

バリッバリのパックリーダー論信者に何か言われても「わたし別に犬にリーダーになりたいわけじゃないんで~オホホ~」って流しちゃいます。だってわたしがなりたいのは「犬の友達」だから。

中でも気になるのが目線の高さなんだけど、何でこんなものが犬のリーダーになるのに必要なのかわかんない。だって目線の高いほうが偉いっていうなら、生後3ヶ月のセントバーナードは10歳のチワワより偉いってことじゃないですかね?誰もおかしいって思わないんでしょうか。

だけどこれはまだ犬にとって害はないんですよね。

問題はこっち。

  • ひっくり返して押さえつける(アルファロール)
  • マズルをつかむ
  • リードを強く引く
  • 大きな声で怒鳴る

これは犬に恐怖を与える虐待。パックリーダー論の名の下にこういった虐待が正当化されちゃってるんですよね。

何が虐待なの?って思ったあなた。ちょっと考えてみて下さい。

人間の親が子どもをその場に押さえつけて自由を奪ったり、顎をつかんだり、首をしめてたり、怒鳴りつけてたりしたら「うわっ、あれって虐待!?」って思うでしょ?人間の子どもにやったら虐待になることを犬には平気でやってるんですよ。中には電気ショックなんて非人道的なもの使う人もいますからね。マジありえない。

犬と人の子どもは違うって言う人はもう相手にしません。同じことやられてみろ。

「仰向けにひっくり返す」っていうのは、これは犬にとって服従の姿勢であり、その姿勢をとらせることにより犬に自然と服従心が芽生えるというもっともらしい説明のもと、飼い主の間に広く伝わっています。

が、仰向けにされて長時間おさえられるなんて犬にとっては苦痛以外の何ものでもないんです。

わたしも以前はやってたんですけど、何か違うと気づいてからはやめました。時々、犬たちが自主的にわたしの股に挟まって寝てることはありますけどね。

仰向け抱っこは「安心感」を与えるもの?

仰向け抱っこは「服従心」だけでなく、「安心感」も犬に与えるというご意見もあります。

「安心感」があるからこそ仰向け抱っこにされた犬がそのまま寝てしまうのだ、強い恐怖心を抱き仕方なく服従している犬がそのまま寝ることなんて有り得ない、ということですが、わたしが見てきた限り仰向け抱っこをされて寝てしまう犬っていうのは諦めてそうしているという子がほとんどです。

何度も何度も、繰り返し仰向け抱っこをされて、結果寝るようになれば「あ~この体勢に安心してリラックス出来るようになったんだな~」と思うでしょうが、犬の気持ちを考えれば、そうするしかないから寝ている、と考えた方が自然です。これも飼い主のそうであって欲しい、という願望が目を曇らせているのです。

のんちゃんも少し前まで仰向け抱っこすると即寝てたのは、そうするしかなかったからだと思います。

そもそも、仰向け抱っこをされて緊張し嫌がって逃げようとする犬に対し、「あ、この体勢安心するな、気持ちよくなってきたな」と思わせる必要がありますか?

「安心感」を与えるために仰向け抱っこをするというのもおかしな話です。犬を安心させる方法なんて、仰向け抱っこ以外にもたくさんあるでしょうに、なぜあえてこれを選んでしまうのでしょう。

言い方を変えて「リラックスポジション」と言われていることもありますが、本当にこの体勢が犬にとってリラックス出来る体勢なのであれば初めてされたのであっても暴れることはないはずだし、リラックス出来るように教える必要もないはずです。

無理矢理教えなければならないことなのであれば、犬にとってこれはリラックス出来る体勢ではないということです。

飼い主さんのそばにいることで安心して欲しいのなら、わざわざ仰向け抱っこで安心させようとしなくても、犬がそばに来たら何もせずにそのまま一緒にいてあげるだけでいいんです。

なぜ仰向けにひっくり返して寝るまで押さえつけるというこの行為を虐待ではないと思っている人がいまだに多いのが不思議でなりません。

仰向け抱っこをしているにも関わらず「犬を服従させる気はない」とか言う人もいますが、本当に犬を服従させる気がないのならこんなことやり必要ないです。

 

最後に

「犬は最良の友」とか言いながら、その友に向かって人間はいつからか暴力を振るい、支配するようになってしまいました。

パックリーダー論なんてものに頼らなくても、犬とはいい関係を築けるし、信頼し合うこともできるのに。
パックリーダー論なんてものを振りかざして、犬を力尽くで言うことを聞かせても、犬はあなたを恐れて言うことを聞くようになるかもしれませんが、決して信頼はしないでしょう。

犬と本当の意味で信頼関係を築きたいのであれば、まずは犬の気持ちを理解し、犬の意思を尊重し、犬の言うことをよく聞くことです。
そうすることで初めて、犬もあなたの言うことを聞くようになってくれるのです。

また最近、「犬に優しい」だのと謳い、パックリーダー論によらないしつけやトレーニングというものが多くあります。

しかしよくよく見れば実はパックリーダー論と同じものを目指していたり、言い方が違うだけでパックリーダー論そのものだったりします。そういうサイトやペットブログも増えてきています。

うっかり騙されてしまうと取り返しのつかないことになりかねません。ペットショップで働いていた頃、何度もそういう飼い主さんから相談を受けましたし、修正するのに長い期間が必要でした。

特に初めて犬を飼ったような人は、お金をかけてトレーナーにつき、厳しいトレーニングを習う人が多いですが、犬を「いい子」に育てるために必要なのはパックリーダー論によるしつけではなく、犬に対する最大限の配慮と思いやりです。

飼い主の言うことならなんでも即座に聞くロボットのような犬よりも、伸び伸び自由な犬らしい美しさのあるいつも笑顔な犬と暮らしたくはないですか?

あ、ロボット犬がよければ生身の犬ではなく、本物のロボットを買うことをおすすめします。今は高性能のロボット犬が売られていますし、ロボット犬による癒やし効果は科学的に認められていますからね。

わたしが上から目線になってでも言いたいのはひとつだけ。

パックリーダー論信者よ、いい加減目を醒ませ。

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おまけ

最近、海じいの写真もたくさん撮ってます♪

実は海じいの写真ってあんまり撮ってないのです。

海じいは明るい毛色だし写真写りいいし、モデル慣れしてるから撮りやすいんだけどね。母がいつも撮ってるからカメラも嫌がらないし。

でもわたしにはあまり撮らせてくれないのです。

撮ってるのバレるとのんちゃんが嫉妬に狂うから。

もう10歳か…って思うと、急に「たくさん撮っておかなきゃ!」って思いました。
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